「患者さんを総合的に診る」。それが、総合診療医の専門性です。私たちには、いくつもの病態をあわせ持つ患者さんに対応する力がある。また、自分で解決できない病態に出会っても、どの専門診療科にどんなサポートを要請すればよいのかを私たちは知っている。したがって、患者さんの様々な訴えに対して私たちはストレスを抱えることが少ない。だから、外来診療が楽しくなります。
大学病院では、病院総合医として難解な症例や複数の病気を抱えた患者さんを診る。市中病院では、一般内科医として地域の患者さんのコモンな病態を診る。また、クリニックであれば、患者さんを家族や生活背景を含めて診る。このように、「どこに行っても働く場所のニーズに応じて活躍できる能力」を後期研修で習得します。幅広いキャリアパスを実現できる分野だからこそ、医局が先生たちの将来を決めることはしません。将来を決めるのは、先生たち自身。私たちは先生たちの将来像が実現するようサポートしていきます。
1986年、名古屋大学卒。糖尿病内科、疫学を学んだ後、伴信太郎教授に出会い総合診療の世界へ。自身の研究テーマは、運動生化学、アミノ酸栄養学、行動変容モデルの実践応用、漢方薬による不妊治療、統合医療実践モデルの構築など、多岐に渡る。
総合診療科が担いうる医療——家庭医療、地域医療、在宅医療、小児医療、緩和医療、それらすべての経験を積んできた高橋徳幸先生は、現在、名大病院の総合診療科で診療とともに医学教育の実践・研究に取り組む。幅広い学びができる医局の魅力について語る。
2005年、岡山大学卒。総合診療科入局後は4年間の家庭医療後期研修を行い、日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医を取得した。その後は卒前教育の実践・研究にも取り組み、医学教育者としての学びを深めている。