中央感染制御部では、感染症の診療サポートや感染対策を通じて感染症から患者さんや医療従事者を守ることを使命としています。
感染対策チーム(ICT)では、看護師や薬剤師、検査技師など多様な職種の人が集まることでそれぞれの専門性を生かしながら活動しています。
患者さんの主治医からコンサルテーションを受けたときには、感染症の対策や治療方針について、専門家の立場からアドバイスや診療のサポートを行います。感染対策は、病原体が人から人へうつらないために適切な対策を取り、感染被害の拡大を未然に防ぐことが重要です。感染症は様々な診療科に関わる横断的な病気。そのため、医局には多様性のある専門分野のメンバーが所属していることが特徴です。そして、お互いの専門性を尊重し合い、症例や対策について多様な視点から検討することで最善の治療と対策を目指しています。また、大学のもう一つの側面は研究機関であること。わたしたちの医局には若い人が多く、他の医局に比べ歴史も浅いことも事実です。しかしそれを強みと捉え、若い人の新鮮なアイデアをくみ取り、これからの中央感染制御部の軸となる研究を築いていきたいと考えています。
1988年、名古屋大学医学部卒。初期研修を経て呼吸器科医として勤務していたが、国立感染研究所へ主任研究官として移籍。在籍中にコロラド州立大学へ留学し、抗酸菌感染症や薬剤耐性菌の疫学などをテーマとした研究で感染症分野での経歴を重ねる。2008年に母校である名古屋大学の医学部附属病院へ赴任し、現在は教授として臨床と研究を行っている。
呼吸器内科での経験をベースに感染症やワクチンなど幅広く学び、現在は疫学の研究を行う森岡先生。日本は海外に比べ医療関連感染症や抗微生物薬を含めた院内の疫学データが少ない。その課題を解決し、感染症対策の向上のため邁進する森岡先生が感じる感染症分野の魅力とは——。
小牧市民病院で初期研修を終えた後、そのまま呼吸器内科医として勤務。感染症を専門的に扱うため都立駒込病院感染症科を経て名大病院中央感染制御部へ入局。大学院修了後は教官として、臨床と研究に励んでいる。