2016年、名大病院には重症心不全治療センターが設立されました。重症の心疾患をもつ患者様に、専門的かつスピード感を持った治療を行き届かせるためです。東海、北陸地区の主要病院が連携して心臓移植を含めた重症心不全管理のノウハウを共有し、また、センターに依頼があれば、必要に応じて専門スタッフを派遣し、迅速に患者様を搬送して受け入れ、治療に専念するというフットワークの軽さが特徴です。ですから、循環器内科を専門にする医師には素早く的確な判断力を養うことが求められます。立ち止まって考えるよりは、どんどん行動することが好き。そんな若い人たちに志してほしい分野です。
循環器医療の花形はカテーテルインターベンションやアブレーション治療と言われますが、QOLの必要性が高まるいま、「瞬間」だけに携わるのではなく、その後の患者様の生活まで見渡して治療方針を決めることが必要です。心臓を軸としながらも他の臓器の診断力を上げて疾患の回復に貢献していく。視野を広く持って、ともに成長していきましょう。
2000年、名古屋市立大学卒。循環器内科に所属しながら名古屋大学医学部附属病院 重症心不全治療センターの立ち上げに関わる。初期研修で循環器救急医療に興味を持ち、救急専門医および循環器専門医を取得。大学院4年目には大阪大学医学部附属病院にて研修し、移植認定医を取得している。
大学病院でしかできないことがある。合併症による難しい症例しかり、心臓移植しかり。そして今、林田先生は、長年の基礎研究が臨床へと移行し、研究者の信念が結実する瞬間に立ち会っている。名古屋大学の今をどう感じ、循環器内科の未来はどうなっていくのか――。
2005年、名古屋大学卒。名古屋掖済会病院、半田市立半田病院を経て、名古屋大学大学院へ。4年間の基礎研究を経て、名古屋大学医学部附属病院助教として、臨床業務に携わりながら研究に従事。(2018年4月異動)