私たちは頭痛やめまい、認知症、脳梗塞といったcommon diseaseから、パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症などの神経変性疾患まで高齢社会で増えている幅広い疾患を対象としています。しかし、年々ニーズが高まっている分野でありながら専門医が不足している状況です。このまま高齢化が進めば患者数は増え続けることが確実ですから、若い先生たちには積極的にこの分野で活躍してほしいと思います。神経内科の魅力は、高い診断技術を身につけられること。神経学的所見や問診によって病態を特定していきます。探偵のように、あらゆる手がかりから疾患を突き止めることが好きな方に向いています。また、レベルの高い診断が求められるといっても、恐れることはありません。名大病院の神経内科医局には、専門医の資格を持つ先輩が多く在籍しています。病棟の診療も上級医10人以上でサポートしていますから安心してください。研究面では大きく臨床研究と基礎研究の2チームに分かれています。2つの大きなグループを持っている医局は全国でも極めてまれです。画期的な治療法を開発したり、高齢社会に貢献しようと努力する若い力に期待しています。
1996年、名古屋大学卒。研修医から社会保険中京病院(現独立行政法人地域医療機能推進機構 中京病院)に6年間勤務。その後刈谷豊田総合病院で1年間勤務後、名古屋大学大学院医学系研究科神経内科学教室の大学院生として帰局する。その後医員などを経て、2012年10月より医局長を担当している。 (2016年9月まで医局長)
難病の患者さんを救いたい。そのための研究ができるのが名大病院の魅力だと語る渡辺はづき先生。医員として熱心に研究に取り組む一方、2児の母親として家庭との両立をするなかで、勤務体制にも満足しているという。先生が思う、「名大医局らしさ」とは、何なのか。
2000年、奈良県立医科大学卒。市中病院での常勤、2児の出産を経て、現在は医員として名大病院に勤務。神経内科の臨床と大学院在学中から携わる筋萎縮性側索硬化症のコホート研究に力をいれている。(2015年4月異動)
治験を中心に行い、研究成果を臨床の現場に生かそうと努力する土方靖浩先生。自身のポジションを、臨床と研究の“橋渡し役”と語る。若手の頃、臨床の現場で芽生えた使命感が、その後のキャリアにどう影響したのか。先生のスマートな語りの中に、熱い思いを見ることができる。
2005年、千葉大学卒。2012年まで安城更生病院で神経内科スタッフとして勤務した後、名古屋大学大学院医学系研究科へ入学。現在、神経難病のひとつである球脊髄性筋萎縮症を対象とした治験グループに所属、新たな臨床試験の立案等、積極的に参加する。(2020年4月異動)