血液内科は非常に広い領域にまたがる診療科です。医療や研究の発展に伴い、今後ますます新たな可能性が広がっていくと感じています。
血液内科では、多種多様な抗がん剤や分子標的薬を駆使して悪性腫瘍の患者さんを治癒に導くことを目指しています。抗がん剤の知識、経験だけではなく、合併症の管理なども身につけることができ、化学療法の専門医(臨床腫瘍医)としても活躍の場を見つけやすい診療科でもあります。
最近では悪性腫瘍に対する治療として、「手術」「化学療法」「放射線」という3つの柱の他に、4本目の柱として免疫療法も脚光を浴びるようになってきました。血液内科の領域でも、抗原特異的T細胞を用いた細胞療法やキメラ抗原受容体発現T細胞などの遺伝子治療なども世界的に進められています。私たちも、免疫療法をテーマに研究を行っており、今後は血液内科という枠を超えて広がっていく可能性が高いと言えます。
患者さんの診療の上に研究が成り立っていることを忘れずに、ベッドサイドでの疑問を解き明かすための研究に取り組んでいます。
1995年、名古屋大学卒。初期研修後も名古屋第一赤十字病院で血液内科に所属。主に造血細胞移植の研究に携わり、2004年にシアトルのFred Hutchinson Cancer Research Centerに留学。2008年に名古屋大学に戻り、現在は血液内科医局長として、関連病院とも連携を取りながら診療および教育体制の充実を目指し取り組んでいる。(2020年4月まで医局長、2021年4月1日付異動)