老年内科は、他の診療科と少し診療のスタンスが異なります。それは、病院内はもちろん、病院を飛び出して、地域もフィールドにして医療の未来について考えているから。だから、医療を行うことに加えて生活支援の要素がとても強いのが特徴です。人とのふれあいが好きで医師を目指したという方に向いている分野だと思います。また、私たちが関わる高齢者は、いくつもの疾患を併発していることがほとんどです。1つの専門分野だけを極めていても、患者さんを救うことができない。分野横断的に診療を行うこと、さらには、医療・看護・介護の垣根をなくし、ダイナミックに連携して患者さんと向き合っていくことが大切です。名大病院老年内科の研修プログラムは、本当の意味で地域包括ケアに貢献できる医師を育成していくために、実際に地域に出て在宅医療を経験する機会が豊富に用意されています。そして、そこで求められる医療を肌で感じることができます。他科の医師として専門性を持ちながら高齢者医療、地域医療を学ぶもよし、地域での開業を見据えて学ぶもよし。地域包括ケアの質を一緒に向上させていくメンバーに1人でも多く来てほしいと思います。
1990年、浜松医科大学卒。名大入局後、関連病院で研修を終え、名古屋大学大学院医学系研究科にて老年科学を学ぶ。現在、老年内科医として外来診療を行うとともに、在宅管理医療部地域医療センターを兼務し、地域包括ケアの取り組みを推進する。(2015年3月まで医局長)