私たちの医局の魅力の1つとして、伝統的に卒後間もない時期からオペレーターを任される実践的な研修をおこなっていること。同門会の構成員も多く、関連病院で臓器分野ごとの指導体勢もあり、希望に合わせた臨床経験を積むことができるのです。他大の医局毎に様々な外科医としてのキャリアパスがあり、卒直後には基礎研究重視で充分な外科手術に触れる機会が与えられないこともあります。私自身は名大出身ではなくこの医局に席を置いたのも卒後12年経ってからでした。それまで外科臨床に携わる機会を求めてさまざまな病院を転々としてきましたが、手術への参加ができれば上出来で、オペレーターの機会は貴重なものでした。でも、名大は違う。あらためてこの医局・関連病院を見てみると、早くから外科手技に触れて実践する、まさに外科医が本領として行うべき研修が行われています。手術経験を多く積みたい人には、とても恵まれた環境です。東海地区で広い関連病院のネットワークを持っており、多くの指導医、複数の施設に指導をもらうことも可能です。その中の1つとして大学病院があります。昔は大学病院と言ったら研究だけをやっているようなイメージがあったと思います。しかしそれはもう過去の話。今は、臨床も、研究のレベルもトップクラスであるのが大学です。自分の手で患者さんを助けるために、一流の技術を我々と共に身につけませんか?
1988年、防衛医科大学校卒。愛知県がんセンターなどの研修*を経て卒後12年目で入局。食道外科を専門とし、チーフとして多くの手術を手掛ける傍らで、若手の育成にも取り組んでいる。日本外科学会専門医、日本消化器外科学会専門医、日本食道学会評議員*、食道外科専門医*、 食道科認定医。 (2017年3月まで医局長)
肝がん・膵臓がん研究に没頭する神田光郎先生は、手術も研究もやればやるほど面白いと目を輝かせる。海外留学も経験し、研究に対する見方にも変化が生まれたそうだ。自ら手を動かすことで手術をする外科医が、研究室でミクロの世界と向き合い、研究をする意義とは——。
2001年、名古屋大学卒。大学院修了後には海外留学を経験した。現在は教官となり、若手の中では臨床・研究の中心的存在として、医局をリードしている。
チームワークが好きで外科医を志したという、高見秀樹先生。いつもパワフルでチームを盛り上げる医局長や、温厚な教授に囲まれて、毎日、全力で手術や研究に向き合う。大学病院だから学べること、できる手術——。今、ここで吸収している最先端医療について語る。
2003年、名古屋大学卒。取材時は名古屋大学大学院医学系研究科の3年生。体力と集中力を鍛え、いつも全力で戦っている外科医の仕事に憧れて、この道に進むことを決めた。現在、卒後臨床研修・キャリア形成支援センター病院助教。
「外科学は奥が深い」と言う田中千恵先生。医局は男女平等な対応をしてくれるため、積極的に手術に参加できるそうだ。手術は卒後何年経っても学ぶことばかり。中でも、腹腔鏡手術に力を注いできた先生が、それを習得するまでのエピソードを語る。
1998年、福島医科大学卒。女性の外科医数が少ない中、臨床と研究に打ち込み、大学教官を務め上げる。腹腔鏡手術については、早くからその可能性に注目して研鑽を積んできた。