知ってるようで意外と知らない!?
  • 医局Voice
  • 消化器外科一
  • 消化器外科二
  • 眼科
  • 精神科
  • 皮膚科
  • 泌尿器科
  • 耳鼻咽喉科
  • 麻酔科
  • 神経内科
  • 形成外科
  • 救急科
  • 化学療法部
  • 腎臓内科
  • 老年内科
  • 小児科
  • 総合診療科
  • 産科婦人科
  • 血液内科
  • 呼吸器内科
  • 中央感染制御部
  • 循環器内科
  • 消化器内科
  • 整形外科
  • 糖尿病・内分泌内科
  • 脳神経外科
  • 小児外科
  • 放射線科
  • 呼吸器外科
  • 病理部
  • 心臓外科

代表インタビュー 救急科

救急医療を学術として、教育として確立するために仲間を集めている。救急・集中治療医学分野 教授 松田 直之 先生

救急・集中治療医学分野 教授 松田 直之 先生

不可能を可能にする
医師になりたかった。

私はこれまで北海道大学、京都大学、そして名古屋大学に救急科を立ち上げてきました。心をアグレッシブに構えて、学生時代から一人前の医師になるために、一生懸命に勉強してきました。講義は必ず前の席でノートをとり、理解しにくい内容は録音させていただき、自宅で聞き直し、ノートに書き起こしていました。学生時代は勉強以外にも視野を広げることも大切ですが、一度医師になると決めたのであれば、命を救うプロとしての意識を早くから持つことが大切です。一般的にはもう助からないと言われるような「劇的救命」はもとより、急性期管理のプロとして急性期病態を的確に指導して、早く回復させる。1秒たりとも無駄にしない。だから、救急科医は経験の豊富さも必要ですが、それ以前に病態に関する知識や高度な治療技術を身につけていることが必要です。学術を重視して大学病院で救急医療に取り組む意義はそこにあります。

確立されていない救急と集中治療の分野において、技術と感性を磨いた。

私の医師人生は、2年目からの集中治療医学と救急医学の開始に特徴があります。急性期医学に強く、何でも診断できてフットワークよく治療できる医師の必要性に気づきました。当時は急性期管理学を専門とできる医師がいない状態でした。改めて私は自分のキャリアを見つめ直し、深く学んでいた集中治療医学の知識や技術を、医療の最前線である「救急の現場」と隔合させたのです。北海道大学で皆と救急部を立ち上げたのは、2000年6月のことでした。その1年後には、救急科を病棟医長として発足させました。札幌の交通事故死を一気に減少させ、その過程で急性期全身管理を学生、研修医、他の専門医に教えていきました。そうした中で、現場で求められている救急医療を大学病院から発信しました。すごい量の学会発表です。今は新規創薬などの新しいテーマも山のようにあります。現在、名大病院では専門性の高い救急医療を提供できるような、重篤な患者さんを診る体制が整っています。急性期の専門家、慢性期の専門家の間で連携がとれているため、とてもいい医療環境ができています。

救急・集中治療医学分野 教授 松田 直之 先生

研究・臨床の両立した救急科専門医を育てる。

私が若い人たちに伝えたいのは、この分野を最初から専門的に学んだほうがいいということです。よく学生たちは、研修医時代に重点的に救急医療を勉強したいと言います。しかし、急性期管理学が専門化している現在、2年程度勉強しただけでは身につくものではありませんし、10年後にはもっと発展しています。何でも数をこなすとできたような錯覚に陥りがちですが、緊急性の病態を多角的な視点から分析すること、そして、重症度の高い患者さんを治療することは10年以上継続してやっとある程度できるようになります。そういう中で、時に、天才が1人くらい現れます。他の専門科を経験した後に救急科専門医を目指すという選択肢もありますが、どうしても専門以外の内容や全身管理に苦手意識がでてしまうのです。救急や集中治療の最前線で活躍することを目指すのならば、今の時代ははじめから救急に入局することが一番です。急性期全身管理学は、現在は救急で学ぶことが大切です。若くてやる気のあるスタッフたちと一緒に、名大病院の救急医療チームを、集中治療医学自体のレベルを、世界を視野に、グローバルに高めていきたいと思っています。

プロフィール

1993年3月、北海道大学卒。2000年北海道大学、2007年京都大学、そして、2014年名古屋大学に救急科を立ち上げた。卒後2年で、新しい学術領域として救急医療に着眼し、集中治療という古い概念を急性期管理医学として昇華させた。その根底には、多臓器平衡管理学の病態と創薬基盤がある。日本集中治療医学会理事、救急科専門医、集中治療専門医として、急性期全身管理をグローバルに教育することを目標とし、急性期管理学の第一人者として国際的に活躍している。

診療科HPへお問い合わせ