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代表インタビュー 救急科

患者さんも、家族も大切。「人間的な診療」を心掛けたい。医局長伊藤 瑞規 先生

医局長伊藤 瑞規 先生

機械に頼らず診断する。
その技に、深く感動した。

内科医になると決めたのは、高校生の頃です。元々、人の役に立つ仕事をしようと考えていたのですが、その最たるものは医師だと思いました。治療によって患者さんの疾患を取り除き、笑顔で退院していく人を増やすということを、頭の中でイメージしていましたね。それでも、循環器内科や消化器内科に進む友人が多い中で、自分が神経内科を選ぶとは思ってもみませんでした。この分野に興味がわいたのは、研修医の時です。神経疾患の診断には、MRIなどさまざまな医療機器を利用しますが、当時私を指導してくださった先生が機械に頼らず、身体的所見だけで病態を特定していたのです。研ぎ澄まされた感覚や、蓄積された知識を頼りに判断する。それは、機械にはできないこと。人間であり、医学を十分に学んだ医師だからこそ、判断できる。そう思うと、神経内科医の技術は本当に素晴らしいものだと思いました。

診断から回復までの間に、
さまざまなドラマがある。

神経内科はよく難しい分野だと言われます。確かに、神経学的所見や、1枚のMRI写真から、脳にどのような疾患があるとか、それが症状にどう影響しているかなどを診断をしていく技術は、数年間で身につくものではありません。しかし、外科の手術などと一緒で、一度コツをつかんでしまえば、一気に対応力が上がるため心配いりません。また、医局には上級医がいますから、教えてもらいながら覚えていけば大丈夫です。技術を身につけた先には、うれしいことが待っています。患者さんが回復していくまでの過程を見届けることができるのです。私はかつて、ある脳梗塞の患者さんと出会いました。治療しても、後遺症が残ってしまった。でも、その方はまだ歩く力が100%回復していないのに、リハビリを一生懸命されて、私に会いに来てくださったのです。ご家族まであいさつにみえた。2人で「先生に会うために頑張ってきたよ」と言ってくれました。もう、言葉にならないうれしさがこみ上げてきましたね。風邪などと違い、神経内科医は「治りにくい病気」を対象としている。けれど、たとえ完治しなくても、支えていくことはできる。そう強く感じました。

医局長伊藤 瑞規 先生

高齢化を嘆くことはない。
神経内科の未来は明るい。

近年、認知症やパーキンソン病などにかかる高齢の患者さんが増えています。そうした世相に不安の声が上がっていると聞きます。でも、そんな今こそ、神経内科医の腕の見せ所です。過去10年で、様々な検査や、治療薬の効能は飛躍的に向上しました。この流れを受けて、これから10年、20年先には認知症や神経難病への根本的な治療法が確立されていくのではないかと思います。また、アメリカをはじめとした先進国は、脳の研究に国家予算の多くを割いていると聞きます。「苦労して診断しても、治すことができない神経内科」というイメージは、もう古い。これからは神経内科にスポットライトが当たる時代です。私自身も、現在は指導する立場にいますが、現場で診療をすることが好きです。少しでも、「完治する病気」を増やせるように、これからも新しい治療法の確立に尽力していきたいと思います。

プロフィール

1996年、名古屋大学卒。研修医から社会保険中京病院(現独立行政法人地域医療機能推進機構 中京病院)に6年間勤務。その後刈谷豊田総合病院で1年間勤務後、名古屋大学大学院医学系研究科神経内科学教室の大学院生として帰局する。その後医員などを経て、2012年10月より医局長を担当している。(2016年9月まで医局長)

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