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代表インタビュー 化学療法部

腫瘍を通して患者さんを診る。死の間際まで、最善を尽くす。柴田剛志先生

柴田剛志先生

がんの領域を専門にしたいと思い、医学部へ。

父が薬剤師で、幼い頃から病院へ遊びに行っていました。薬を扱う仕事に興味を持ったのはその頃だと思います。また、身内にがんで亡くなる方が多かったため、薬を処方するだけでなく、それを使って治療したいという思いが強くなっていきました。これが、私ががん治療に取り組みたいと思うようになったきっかけです。その後、三重大学医学部に入学。当時は、がんの薬物療法を専門に行う「腫瘍内科」は、あまり知られていませんでしたが、6年生の時に各科をローテーションしているとき、この専門科に出会うことができたのです。ちょうど三重大学の第二内科で腫瘍内科チームが立ち上がりました。先生が、治療のエピソードや研究の魅力を教えてくださったので、「これだ!」と思いましたね。同級生にこの道へ進む人がいないから不安だ、ということはありませんでした。

がんセンターでの研修が、自信と情熱をくれた。

大学を卒業してからは初期研修で内科の基本的な手技や診療方法について学びました。そして3年目には、がんの基本的な薬物治療や症例について学ばせていただき、卒後4年目に、転機が訪れました。国立がんセンター中央病院の固形腫瘍コース・レジデントとして採用が決まったのです。「血液コース」と「固形腫瘍コース」の募集が出ており、血液だけでなく、人体のあらゆる部分にできるがんについて学びたいと思い、後者を選択し受験しました。その結果、念願叶って合格することができたのです。
がんセンターの3年間は、あっという間でした。症例数が圧倒的に多いため、治療、治療、の毎日。薬の種類や対応の仕方など、現在の私の治療に関する知識と技術は、ほぼここで養われたと言っても過言ではありません。腫瘍内科医の仕事は、命を救うだけではないということにも気づきました。死と向き合う覚悟がなければ、この領域で医師を続けていくのは難しい。その中で、患者さんから「先生が担当でよかった」と言っていただけることもあり、医師としてのやりがいを感じられる分野でもあります。

柴田剛志先生

がん薬物療法専門医として強い意志を持って治療を続けたい。

多くの症例を経験する中で、次第に治療薬に関する学びを深めたいと思うようになりました。名古屋大学は文部科学省の「がんプロフェッショナル養成プラン」※のなかで中部地区の中核を担っており、最先端の研究や診療が行われているため、お世話になることにしました。化学療法部では、「治験」と呼ばれる新薬の安全性を確認する試験を行っています。また、薬物治療と副作用との関連を検証する研究なども多く行っています。大学病院のいいところは、落ち着いて研究できる環境があるということ。学びを深めると視野が広がり、治療をするときの判断力も上がります。ですから、治療が好きだから研究はしないのではなく、治療でのスキルを上げるために大学院で学ぶという道を考えてみるのもいいと思います。私自身も専門医としてプロ意識を持ち、これからも研究をおろそかにすることなく歩んでいきたいと思います。

※文部科学省は、国公私立大学から提案された、質の高いがん専門医等を養成するためのプログラムに対し財政支援を行う。これにより、大学の教育の活性化を促進し、今後のがん医療を担う医療人の養成推進を図ることを目的としている。

プロフィール

2003年、三重大学卒。松阪中央総合病院にて3年間の研修を修了後、国立がんセンター中央病院の固形腫瘍コース・レジデントとなる。ここで3年間、多くの症例を経験した後、名古屋大学大学院医学系研究科へ入学した。1年目は愛知県がんセンター中央病院にてレジデントとして研修し、以後、名大病院化学療法部に在籍。2013年には学位を取得している。

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