知ってるようで意外と知らない!?
  • 医局Voice
  • 消化器外科一
  • 消化器外科二
  • 眼科
  • 精神科
  • 皮膚科
  • 泌尿器科
  • 耳鼻咽喉科
  • 麻酔科
  • 神経内科
  • 形成外科
  • 救急科
  • 化学療法部
  • 腎臓内科
  • 老年内科
  • 小児科
  • 総合診療科
  • 産科婦人科
  • 血液内科
  • 呼吸器内科
  • 中央感染制御部
  • 循環器内科
  • 消化器内科
  • 整形外科
  • 糖尿病・内分泌内科
  • 脳神経外科
  • 小児外科
  • 放射線科
  • 呼吸器外科
  • 病理部
  • 心臓外科

代表インタビュー眼科

医師は、生命の専門家。プロ意識を持ち続けたい。医局長 小川 靖 先生

医局長 小川 靖 先生

生命の神秘に興味を持ち、
学生時代から基礎研究室へ。

「研究するなら、医学部に行けばいい」。父のその言葉で、私は自然とこの道を目指すようになりました。元々、生命科学の分野に興味を持ち、図鑑を読んだり調べものをすることが好きな子供でした。そんな私を見て、父は進路を指南してくれたのでしょう。
医学部入学後は積極的に研究室を訪問し、まだ学生でしたが、研究テーマを持たせていただくことができました。その時にお世話になった先生が、今の上司です。臨床で得られたデータや考察をうまく研究に落とし込んでいらっしゃいました。「こういうプロセスで研究すれば、本当に治療に活かせる研究ができる」と感じましたね。その後、研修先の病院で皮膚科の部長をされている先生と出会いました。先生は、「病理的な原因を読み解きながら皮膚疾患を診ていくことは、パズルを解いているようでとてもおもしろい」ということおっしゃっていました。それを聞いて私は、臨床と研究の両方で皮膚科を極めたいと強く感じ、この道を選ぶことに決めました。

7年目で留学。世界を肌で感じながら
基礎研究に没頭した。

大学院卒業後、研究志向の強い私を医局の先輩方が理解してくださり、テキサス大学のサウスウエスタンメディカルセンターへ行くことが決まりました。現地では、素晴らしい同僚に恵まれ、研究に集中することができました。中でも心に残っているのが、自分が対象にしていた分子に新たな発見ができたことです。当時はFGF(線維芽細胞増殖因子)のホルモン性に“働きかけるもの”がある、ということが分かり始めた頃だったのですが、その“働きかけるもの”であるレセプター機構について、具体的には解明されていませんでした。ところが、ちょうど私が扱っていた分子が決定的なレセプターだと分かったのです。さらに、新しいホルモンと、それを求める体のメカニズムと、その下流で働くレセプター機構の関連性をまとめて一度に証明することができました。モヤモヤが急に晴れた、という感じで、スカッとした気分でしたね。研究って、世界中で誰も知らないことを自分で新たに調べて分析し、実際にそれが正しかったり、間違っていたりするわけですけど、その過程自体がとてもおもしろいと感じました。

医局長 小川 靖 先生

一歩先の皮膚科を見つめ、専門家として何ができるか考える。

研究の世界は、一言で表現するなら「クリエイティブ」ですね。自分で決めたテーマにもとづいて調査を進め、新しい見解を創造していくことは、とてもやりがいのあることです。これは、大学病院にいるからこそ経験できること。大学病院で行われている研究は、ゼロベースで始めることや、高度なテーマを扱ったものが多いです。だからこそ、それは臨床に大きく貢献するのです。臨床においては、現在私は一般皮膚科も担当していますが、難しい症例に接することがほとんどです。でも、研究で培った多くの知識やノウハウがあれば、乗り越えて行けると信じて取り組んでいます。研究と臨床の両輪で生きる。それこそが、生命の専門家である医師に、本当に求められている生き方だと思います。

プロフィール

1998年、名古屋大学卒。大学学部生時代から基礎研究室のメンバーとして活動する。卒業後は社会保険中京病院(現独立行政法人地域医療機能推進機構 中京病院)で2年間の臨床研修を行い、名古屋大学皮膚科に入局。入局後はすぐに名古屋大学大学院医学系研究科に入学する。基礎研究に力を入れ、その後、テキサス大学サウスウエスタンメディカルセンターで約3年間、東京医科歯科大学難治疾患研究所で約3年間学ぶ。2010年から名古屋大学皮膚科に帰局。一般皮膚科と臨床研究を行い、2012年からは医局長を務める。

診療科HPへお問い合わせ