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代表インタビュー 消化器外科二

仕事を通した自己実現。外科医は一番、それができると思う。医局長小池 聖彦 先生

医局長 小池 聖彦先生

手術のエピソードを語る
父の表情が忘れられない。

子どもの頃、外科医である父の話を聞くことが好きでした。自分が行った手術の技術に関する話や、回復した患者さんの話。いつも仕事の話ばかりでしたが、満足感でいっぱいの父がうらやましく思えました。私もいつか外科医になりたい、自分の手で手術をして患者さんの疾患を取り除きたいと思うようになりましたね。
その後、防衛医科大学校に入学。外科医キャリアがようやく始まったと胸を躍らせていました。でも、現実はそんなに甘くなかった。附属病院や関連病院での研修を行う中では、重症度が高い患者さんへの手術はなかなか任せてもらえませんでした。人間の体にメスを入れるということには、それだけ経験が求められるということは分かっていましたが、前線に立つことができず、焦る気持ちばかりが募っていきました。

チャンスを待つのではなく、つかみに行った。

私は医局への入局が遅く、卒後12年で初めて名大医局に入りました。それまでは研修や手術の補佐でいくつもの病院を転々としていて、まさに「放浪」という言葉が似合う医師生活を送っていました。でも、そんな中でも自分自身の転機となった研修はあります。卒後9年目から3年間行った、愛知県がんセンターでの研修です。ある病院にいた時、先輩から「お前はそんなにオペをしたいのなら、本当にテクニックを上げられる環境に一度行った方がいい」と背中を押してもらったのをきっかけに、進路を決めました。当初は、「もうすぐ10年目なのにまだ研修か・・・」と、迷う気持ちもありましたが、今考えればこの進路選択は正解でした。愛知県がんセンター中央病院には、胃がんの専門家、食道がんの専門家というように、臓器別に外科医がいます。その分野のエキスパートが揃っていました。知識欲がかきたてられて、毎日とにかく多くを吸収しようと努力したものです。実際、私がこの3年間で担当することができたオペの数は少ない。でも、自分のこの手で、患者さんを治すのだという意思は日に日に強くなっていきました。消化器のあらゆるがん手術をしっかりと目に焼きつけ、真似をし、自分のものにする。自分に出番が来るまで、それを繰り返し続けました。

医局長 小池 聖彦先生

自分にしかできないことをする。
そして、自分ひとりを過信しない。

今、医局長として思うのは、名大医局に入局して研修する外科医の卵は、本当に恵まれているということです。指導体制がしっかりしているし、症例も関連病院も多いから、キャリアに悩んでいる暇がないほど手術を経験できるのです。
その名大医局で、私は現在、食道がんの手術を専門にしています。がんから患者さんを救うためには、今の時代の医療技術だと、外科で手術を行うことが一番と言われています。患者さんの命は自分の手にかかっていると思うと、土日に休みをとりたいなんていう気持ちは、自然となくなりますね。また、外科医はチームで手術をするため、人間関係がとても大切です。他科の先生を含めてネットワークを持っていれば、手術の相談や患者さんの回復の進捗を共有して一緒に戦っていける。自分自身の技量を高めながらも、自分ひとりの力を過信しない。若い人たちには、外科医になりたいなら勉強ばかりではなく、好奇心や人間性を高めることも大切にして前進してほしいと思います。

プロフィール

1988年、防衛医科大学校卒。愛知県がんセンターなどの勤務を経て卒後12年目で入局。食道外科を専門とし、チーフとして多くの手術を手掛ける傍らで、医局長として若手の育成にも取り組んでいる。日本外科学会専門医、日本消化器外科学会専門医、日本食道学会 食道科認定医。

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