研究が好き!LOVE LAB 基礎医学研究者育成プロジェクト 名古屋大学医学部学生研究会

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2016.11.29
論文

5年市川貴也さんの学会発表報告

 

     64回 日本ウイルス学会学術集会 参加報告                             名古屋大学医学部医学科5年 市川貴也(ウイルス学)


  2016102325日の間、札幌市の札幌コンベンションセンターにて「第64回日本ウイルス学会学術集会」が開催されました。私は当学会において、3年後期より行ってきた約2年間の研究成果を口頭発表しましたので、ここに報告させていただきます。

はじめに、私の研究内容について簡単に紹介させていただきます。私の扱っているウイルスは、エプスタイン・バールウイルス(EBウイルス)というヘルペスウイルスの一種です。ヘルペスウイルスの大きな特徴は、宿主に感染後「潜伏感染」と呼ばれる状態になることです。インフルエンザなど急性に症状を引き起こすウイルスは、感染後宿主の免疫によって数日から数週間でウイルスは排除されるのに対し、ヘルペスウイルスは自身の遺伝子の発現を極めて抑えることによって(必要最小限のウイルス遺伝子のみを発現することによって)、宿主の免疫から逃れて持続的に感染することができます。私は、そのウイルス遺伝子の発現を制御するメカニズムについて、EBウイルスDNAのヒストン修飾に着目して研究を行っております。具体的には、遺伝子発現に対し抑制的にはたらくヒストン修飾H3K27me3を触媒する宿主因子であるEZH2に注目し、EZH2をノックアウトした細胞と野生型の細胞それぞれにEBウイルスを感染させ、その感染動態の違いを比較することでウイルス感染におけるH3K27me3の役割を明らかにしようと試みています。H3K27me3は一見英字と数字が並んだ暗号のように見えてしまうかもしれませんが、H3はヒストン蛋白の種類を指しており、そのH3というヒストン蛋白の27番目のアミノ酸がリシン(K)で、そのリシンが3個メチル化している(me3)という意味になります。そのため、H3K27me3とは「ヒストンH327番目のリシンがトリメチル化している」ことを指します。

 ウイルス学会は、日本中のウイルスについて研究している人々が一同に会する、大変規模の大きい学会になります。また、昨年度より口頭発表が英語になり、国際化を推し進めております。私は昨年に引き続き二度目の発表となりましたが、英語が不得手でありまして、発表の準備には日本語での発表に比して相当量の時間を費やす必要がありました。ですが、自身の英語力の向上、現在行っている研究に対する理解を深めるという点では非常に良い機会となりました。また、他の研究室の方々の高いレベルの発表を拝聴し、研究内容について意見交換もすることができ、大変有意義な時間となりました。

最後に、今回の学会発表をするにあたって多大なご指導をしてくださったウイルス学研究室の村田准教授、木村教授、ならびに研究員の皆様、また旅費等のご支援をいただいた学生研究会(基礎医学研究者育成プロジェクト)に深く感謝の意を表します。

   

  

  

                                                   図 発表で使用したスライドの抜粋